あなたは税理士とはどんな職業で、どんな仕事内容なのか知っていますか?
わかりやすくいうと、税理士は複雑な税のしくみを理解し、その知識で相談や手続きの手伝いをしてくれる専門家です。
個人で事業をしていなければ、あまりなじみがない職業かもしれません。
しかし税金は誰もが納めていますね。最も身近なものは消費税でしょう。
税理士の仕事内容には納税に関する相談を受け、わかりやすく答えるというものもあります。
こちらの記事では、税理士はどんな職業で、仕事内容はどういったものを扱うのかなどを、わかりやすく解説しています。
また税理士になるにはどんな資格が必要なのか、給与はどれくらいなのかもあわせて紹介します。
読み終わるころには税理士について詳しくなれますよ!
税理士の仕事や税理士事務所で働くことに興味がある人に、ぜひおすすめしたい1冊があります。
こちらの本では、税理士事務所はどんなところなのかとことんわかりやすく解説してくれますよ。
冒頭のマンガが特に引き込まれる内容ですので、ぜひチェックしてみてください。
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税理士の仕事内容をわかりやすく表すと税務の専門家

税理士の仕事内容は中小企業から大企業、個人と幅広くあります。
これは税理士が、経営者や個人事業主が正しく納税できるようサポートする役割を担っているからです。
では、その税金のプロは具体的にはどんな仕事をしているのか、わかりやすく紹介します。
税理士の仕事内容には何がある?3つの独占業務
士業として人気がある税理士ですが、詳しい仕事内容を知っていますか?
私も以前は「税金の専門家」「納税で頼れる存在」くらいの知識しかありませんでした。
税理士とは
税の専門知識を使って、納税に必要な書類の作成や、確定申告などの申請を代理で行うこと、税に関する相談に乗ってくれる人のことです。
これらは「税理士の独占業務」と呼び、税理士資格がある人のみができる業務です。
- 税務代理:税金に関する手続きを代理で行う
- 税務署類の作成:依頼者に代わって税金に関する書類を作成する
- 税務相談:税金に関する相談を受け、回答する
どれも税と深く関わっている仕事内容ですね。詳しくひも解いてみましょう。
<税務代理>
企業や個人からの依頼を受け、税金に関する手続きを代理で行う仕事です。
税金に関する手続きには、確定申告や青色申告、相続税など様々なものがあります。
この他にも税務署からの調査に対して、依頼者の代わりに受け答えをすることや、決定に不服がある場合は申し立てをすることもできます。
依頼者の味方になってくれる存在と言えますね。
<税務署類の作成>
税務署に提出する書類の作成を、依頼者の代わりに行います。
例えば、確定申告(その年の納税額を計算し、書類にまとめて提出する)では、経費や複雑な計算を法律にそって的確に処理し、税務署への提出も代行できます。
<税務相談>
税金の法律は改定を繰り返しています。法律以外にも税金のしくみには複雑な部分がありますので、依頼者の疑問を解決するという仕事があります。
書類の作り方や計算方法、時には節税対策など、税のことに幅広く答えています。
ここまでが、税理士の資格を持っている人だけができる仕事です。この独占業務以外にも税理士が得意とする仕事があります。
- 経営コンサルティング:経営のアドバイスをする
- 会計参与:企業の計算書類を作成し管理する
- 経理業務のサポート:企業や個人事業主の会計業務をする
税務の専門家としての資格があることで、より信頼を得られ重宝されるでしょう。
<経営コンサルティング:経営のアドバイスをする>
税理士は税金の申告書類を作成するなどの仕事上、依頼者のお金の流れに詳しくなります。
企業が抱えている課題や改善点を、お金の流れを通して見つけることができるのです。
課題解決のためにアドバイスを行い、それを解決するアドバイスを行います。これをコンサルティングといいます。
<会計参与:企業の計算書類を作成し管理する>
企業の役員として、取締役などと共同して会社に関わる重要な計算書類を作成し、管理する仕事です。
会社の役員とは、経営者側の仕事をする人のことです。取締役や監査役などと同じ立場ですね。
会計参与として仕事をするためには税理士や公認会計士の資格が必要です。
<経理業務のサポート:企業や個人事業主の会計業務をする>
企業や個人事業主の日々の会計業務をサポートしています。
会計業務とは、お金の収支、経費、負債、資産など、日々の取引で生じたお金の流れを台帳に記録することです。
この台帳に記録する作業を「帳簿を付ける」といいます。この帳簿は、確定申告で納税額を示す大切な書類です。
間違った記録になっていると、意図せず脱税になってしまうこともあれば、税金を納めすぎてしまうことにも繋がります。
税の知識がある人に担当してもらうことで、依頼者は安心して仕事に打ち込めるのです。
税理士に必要な資格は難しい?種類と取り方を紹介
税理士は税の専門家として企業や個人事業主に頼りにされる存在であることが分かりましたね。
しかし、税理士になるにはどうすればいいのでしょうか?
税理士になるには、税理士試験に合格して国家資格を取得する方法の他にあと2つのルートがあります。
税金のエキスパートになるためのルートを見てみましょう。
- 税理士試験に合格し、2年以上の租税、または会計に関する実務経験を積む
- 税務署に国税従事者として一定期間以上勤務し、税理士試験に合格する
- 公認会計士か弁護士の資格を取る
税理士として活動するためには、これらのどれかのルートで資格を取得した後、税理士会への登録が必要です。
税理士になるための、税理士試験は難しいのでしょうか。
税理士試験の難易度
税理士の資格取得は日本の国家資格の中でも難しいもののひとつです。
日本で合格が難しい3つの試験とされている「司法試験」「医師国家試験」「公認会計士試験」をSSランクとしましょう。
「税理士試験」はそれらに次いで難しいと言われていますので、Sランク級と表現するとわかりやすくなるでしょうか。
税理士試験に挑むためには一定の条件を満たしている必要があります。
合格に必要な科目は必修と選択をあわせて5科目あり、税理士試験に挑む人の一般的な勉強時間は4,000時間程度といわれます。
ただ、税理士試験では科目合格制度を採用しているため、一度に5科目を受験する必要はありません。
1科目ずつ受験することができ、一度合格した科目については生涯有効です。
そのため、税理士事務所で働きながら試験にチャレンジしている人も多くいます。
私の恩師の娘さんは、学校から大学在学中に税理士資格が取れるコースに誘われたそうです。
卒業すれば税理士事務所への就職が約束されているとはいえ、毎日勉強漬けで楽しいキャンパスライフどころではなかったと、先生からお聞きしました。
さて、難易度の説明の中で出てきた「公認会計士」ですが、税理士とはどこが違うのでしょうか。
税理士と公認会計士の違い
わかりやすくいうと、税理士は「税務」の専門家であるのに対し、公認会計士は「監査」の専門家といえます。
監査とは、企業の経営成績や、財務の動きが適正かどうかを評価することです。
適正であれば「この企業は優良ですよ」とお墨付きを出します。
これが公認会計士の独占業務である「監査・証明業務」です。
監査が必要になるのは株式市場に上場しているような大企業ですので、依頼者もおのずと大企業ということになります。
税理士を目指すメリットデメリットをわかりやすく解説
納税者から頼りにされる税理士ですが、資格を取得するメリットとデメリットはどんなものがあるのでしょうか。
税理士の資格取得を目指すのであれば、知っておきたいメリットとデメリットをまとめました。まずはデメリットからご紹介します。
- 資格取得に時間がかかる
- 経済面が厳しい
資格取得の難しさを感じさせる内容ですね。詳しく見ていきましょう。
<資格取得に時間がかかる>
前述の通り、税理士試験では科目合格を認めています。
一見、しっかりと勉強できて合格率を上げることができそうですが、実はここが落とし穴です。
試験は年に一回しかありません。1科目ずつ受験して、ストレートで合格できても5年かかってしまいます。
働きながら受験しようとすると、もっと時間がかかってしまうこともあるでしょう。
実際に働きながら税理士の資格を取った人の中には、23歳で税理士に挑戦し始め、資格を取得したときには39歳になっていたという話も聞きました。
<経済面が厳しい>
専門学校で受験科目全ての授業を複数回受けるとすると、その授業料だけでも軽く100万円を超えるでしょう。
働きながら試験の合格を目指す場合でも、経済面は厳しいと言えます。
例えば、税理士事務所で正社員として働いている人と、受験勉強をしながら働いている人では10年後、数百万から1,000万円以上の差が出ることも少なくありません。
受験勉強をするために仕事をセーブせざるを得ないので、仕方がない部分はありますが、正直辛い収入差になってしまいますね。
試験勉強のために若い間に経験できるはずのことを、引き換えにしてしまう可能性もあるでしょう。
このデメリットをメリットで十分に取り返すことができるのか、見ていきましょう。
- 国家資格を持っている
- 独立しやすい
- 働き方に自由度がある
時間をかけてでも努力して取得した国家資格が、大いに役立ちそうなメリットですね。
<国家資格を持っている>
国家資格を持っていると、それだけで信用が得られます。
独立して事務所を開くこともできますし、その場合に新規の依頼者を獲得するハードルも低くなる傾向があります。
ある税理士さんは、自身の顧客をほとんど持たない状態で独立したそうです。
独立後も主な宣伝は、ホームページとブログを運営するのみに留めていましたが、徐々に依頼者が増えていったといいます。
資格に裏打ちされた信用があるおかげでしょう。
<独立しやすい>
税理士の資格があることで、独立する際の融資を受けやすい傾向があります。
経営コンサルティングを始める際も、税理士であることが依頼者からの信用度を引き上げてくれます。
<働き方に自由度がある>
独立したら働き方は自分で決められます。事務所を大きくするもよし、地域に根差した税理士になるもよし、どんな働き方も選べるのです。
資格取得を目指すのであれば、最終的に自分がどうなりたいかというビジョンを持って取り組むのがよさそうですね。
仕事内容から選ぶ税理士のキャリアを築く就職先4つ
税理士は独立して事務所を開くこと以外にも、自分で仕事内容を選ぶことができます。
税理士試験でどの科目を選択したかや、どのルートで資格を取得したかによっても得意な分野が変わります。
そこで、税理士としてのキャリアを築ける就職先を4つ紹介します。
- 税理士事務所または会計事務所
- 税理士法人
- 一般企業内の税理士
- コンサルティング会社
これらの就職先は、税理士に必要な2年間の実務経験を積むこともできます。
では、具体的にどのようなキャリアが積めるのか詳しく見ていきましょう。
<税理士事務所または会計事務所>
税理士を目指す人が選ぶ、最も一般的な就職先です。これらの事務所では、今まで紹介してきた様々な税に関する業務に取り組んでいくことになります。
事務所によりますが、中小規模の事務所ではひとりの税理士が数件から数十件の依頼者を受け持つことになるため、幅広いスキルを身に付けることができます。
それぞれの事務所で力を入れている仕事内容が異なりますので、就職する前によく確認しておくことをおすすめします。
<税理士法人>
税理士法人は2人以上の社員税理士が必要な組織です。
小規模な事務所では取り扱わないような多種多様な仕事内容があり、チームで仕事をします。
中には資産税などのある税金に特化した事務所もあり、高度な専門性を身に付けたい場合はこちらを選ぶと、極めたいスキルを磨くことができるでしょう。
<一般企業内の税理士>
一般企業の経理部門で会計や税務の専門知識を活かして働くことができます。
日系の上場企業に始まり、外資系、金融機関、中小企業やベンチャー企業など、多くの企業が税理士を迎えたいと考えているようです。
<コンサルティング会社>
税理士はコンサルティング業務に特化したキャリアを選ぶことも可能です。
財務、経理や資金繰り、事業継承など、様々なコンサルティングを行っている会社は「大手税理士法人系」と「独立系」の2つに分けることができます。
その会社が得意な分野はどんなことなのか、自分のキャリアの一部として取り入れたいことにチャレンジするといいですね。
そして、一般の税理士事務所に勤めるよりも年収が上がるケースが多いようです。
企業は単に税理士の資格があればウェルカム!というわけではありません。では、企業はどのような人を探しているのでしょうか。
- 自社が求めるスキルと実績があるか
- 共に仕事を進められる人柄であるか
<自社が求めるスキルと実績があるか>
依頼者は、自社の困りごとの解決や、今後力を入れていきたい分野のために税理士を探しています。
例えば、節税について相談したい、銀行との交渉を頼みたい、帳簿付けを代行してほしいなど様々です。
得意分野を持ち、その分野でしっかりとした実績を積んでおくことで、企業から選ばれる税理士になることができるでしょう。
<共に仕事を進められる人柄であるか>
税理士はその仕事の特性上、依頼者のお金の流れを全て把握していると言っても過言ではありません。
確定申告を依頼するのであれば、いつ、どこの医療機関でいくら払ったかまで把握されてしまうわけです。
一緒に仕事をするパートナーですから、人間的に信頼を寄せられ、自分と相性がいい人を探したくなりますよね。
相性はご縁ですが、意識することで信頼関係を築くことはできます。
信頼関係を築く大切なポイントについて3つまとめてみました。
- 事業の相談には親身になってくれるか
- 連絡はマメにしてくれ、返信が速いか
- コミュニケーションはうまくとれるか
これらのことに日頃から気を配っておくと、依頼者との信頼関係を深め、円滑に仕事を進めることができるでしょう。
税務に詳しくなりたいなら、税理士事務所で働くのはピッタリです!
しかしどんなところなのか知らなければ、飛び込むことが不安になりますよね。
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税理士の仕事内容を一日の流れから知ろう!

税理士と聞くと一日中机に向かって、難しい計算をしながら書類の束をさばいているイメージが強いのではないでしょうか。
実は、依頼者の訪問業務など、事務所の外で行う仕事も多くあるようです。
それでは税理士の一日の流れや、働き方についてご紹介します。
税理士の一日の流れは繁忙期と閑散期で全く違う
税理士の仕事には繁忙期(とても忙しい時期)と閑散期(比較的余裕がある時期)があります。
税金関係の申告をする時期が決まっており、その前後に仕事が集中するからです。
一日の流れを見ていく前に、一年を通してどのような業務があるのかをわかりやすく表で説明します。
月 | 仕事内容 | 忙しい度 |
1 | 年末調整や決算業務 個人の確定申告の手伝い | 高 |
2~3 | 個人の確定申告の相談と手伝い | 中 |
4 | 3月決算の企業の決算業務開始 | 高 |
5 | 決算書類の申告期限がある | 高 |
6 | 固定資産税・都市計画税の納付など | 中 |
7~10 | 記帳代行や日々の業務が主 | 低 |
11 | 個人の確定申告の相談や年末調整の準備 | 中 |
12 | 年末調整に関する業務 | 高 |
繁忙期は12月~5月となり、6月~11月はスケジュールに余裕がある閑散期といえますね。
それでは、ある税理士事務所に勤務している税理士の一日の流れと仕事内容をご紹介します。
出社前
身支度を整え、経済や税に関するニュースを確認しながら出社します。
依頼者の会社を訪問することが多く、身だしなみには一層気を付けているそうです。
税理士はコンサルティング業務を担うことがありますので、経済の動きや、法律の改正には常にアンテナを張っておく必要があります。
出社後~午前中
メールチェックを行い、素早く返信していきます。本日の予定と依頼者の会社訪問に際して必要な書類が揃っているか、直近のご要望や相談内容を復習します。
本日の予定は午前中に2社訪問することになっているようです。
事務所スタッフが揃ったら、朝の打ち合わせを行います。
事務所全体の仕事内容や進捗をスタッフ全員で共有することが大切だからです。
打ち合わせ後は、スタッフからの質問に2つ3つ答え終えてから、1社目の訪問先へ出かけます。
1社目は事業継承の提案と進め方を話し、2社目は起業して間もない若手社長と帳簿の付け方や中期的な経営目標を相談する予定です。
お昼休憩
2社目に訪問した若手社長とランチタイムです。依頼者と昼食を共にすることはよくあります。
会社の外に出てリラックスした気分で、話をしたり聞いたりできる貴重な時間です。
午後~退社
午後の訪問予定は1社です。社外取締役として籍がある会社の定例会議への参加をします。
主な議題は新しい工場を建設し、最新の機材を入れることについてです。税理士の立場から経営や資産の状況を踏まえた意見をお伝えしました。
15時ごろ事務所に帰り、留守の間に出たスタッフの疑問や質問に回答をして、メールの返信も済ませてしまいましょう。
翌日の定期面談先に持参する書類をチェックし、どのような提案を行うかを練ります。
その他にも、新規の依頼者とも合う予定です。会社のホームページなどから経営理念やポリシーなど、経営者の人柄をインプットして、相談内容への回答を考えます。
普段から18時半には仕事が終わるように予定を立てているので、スタッフ共々仕事を終え、事務所を閉めて帰宅します。
どちらかというと閑散期の一日といった感じでしょうか。
忙しくなるとこれらの仕事内容に加え、税務署に提出する書類や、相談者なども事務所には多くやってきます。
そのため帰りはもっと遅い時間になることもしばしばあるでしょう。
独立して事務所を構えている税理士であれば、業務の終わる時間や、余裕がある時期にまとまった休みを取ってリフレッシュするなど、うまく働き方を調整することができます。
仕事内容にやりがいはある?税理士3年目のリアルな声
税理士として活躍している、恩師の娘さんにお話を聞く機会がありました。
彼女は大学時代に税理士資格の勉強をするコースで学び、資格を取得して個人の税理士事務所で働いています。
税理士が身近にいないので、ついたくさんの質問を投げかけてしまいましたが、楽しそうに答えてくれました。
そのおしゃべりの中で知った、辛い面と楽しい面の両方をご紹介しますね。
- 忙しさが半端ではない
- 小さなミスや提出期限からくるプレッシャー
お金を扱う仕事ですから、ミスや提出期限のプレッシャーは大きいでしょうね。
<忙しさが半端ではない>
税理士の年間スケジュールは半年ごとに閑散期と繁忙期があることをお話しました。
この繁忙期の忙しさは想像を絶するもののようです。
帰りは21時22時になることは当たり前で、休みの日は全く起き上がる気にもなれないといいます。
また新卒の頃から担当する依頼者は30件以上あったようで、うまく進む会社はいいのですがスムーズに処理が進まない会社もあります。
どの会社も提出期限は大体同じであるため、とても焦ると言っていました。
今は担当している会社がもっと増えていると言うので、今まで以上に大変でしょうね。
<小さなミスや提出期限からくるプレッシャー>
申告や申請が重なる時期は迫りくる提出期限との戦いですが、ミスは一切許されません。
小さなミスでも依頼者に脱税や、払いすぎといった迷惑をかけてしまう恐れがあるからです。
その責任、プレッシャー、期限の3面から挟まれているのが辛いと笑っていましたが、聞かされている私の方が真っ青になりました。
数字が苦手な私にはとても務まりそうもない、というのが率直な感想です。
こんな激務ですが、楽しさややりがいを感じる場面もたくさんあると話してくれました。
- 依頼者には社長が多い
- アドバイスに満足してもらえたとき
- ご新規様を紹介してもらえたとき
会社経営を手伝う業種という感じですね!どんな内容か気になります。
<依頼者には社長が多い>
世の中にはいろいろなビジネスがあり、どのビジネスも税金を納めています。
税理士に仕事を依頼してくるのは個人事業主や経営者なので色々な仕事の話が聞けるといいます。
仕事で財務のアドバイスをすることもあるので、おのずとその業種のことを深く知る機会になるそうです。
また、会社を立ち上げている人というのは、ものの見方が洗練されている人が多く、素晴らしいと話してくれました。
そして性別ではなく、仕事ぶりと人柄をしっかり見てくれる人が多いのも嬉しい点で、社長さんたちから学ぶことがたくさんあるようです。
<アドバイスに満足してもらえたとき>
何年も会社経営をしている依頼者を前に、経営や財務のアドバイスをするのは緊張するといいます。
50代60代の経営者たちからしたら20代そこそこの彼女はほんのひよっこですから、無理もありません。
それでも一生懸命に考えて提案した案に深くうなずいてもらえた時は、本当に「やってよかった」と思うそうです。
その表情からとても嬉しい瞬間であることが私にもよく伝わりました。
<ご新規様を紹介してもらえたとき>
そうして信頼関係を築いた依頼者から、新しい依頼者を紹介してもらえることがあるといいます。
あなたになら、自社の経営状態をさらけ出してもいい、と言われているのと同じことです。
それだけ頼りにしてくれて、経営者仲間にも勧めてもらえる、積み上げた仕事が一気に報われる瞬間だと思います。
先生から普段お聞きしていた娘さんは、お母さんが大好きで、頼りっきりなかわいいお嬢さんというイメージでした。
実際にお話をすると、立派に仕事をこなしておられて、終始感心しきりでした。
もし税理士さんにお願いすることがあったら、こんな人にお願いしたいな、と思います。
税理士の仕事内容と給与は関係ある?平均年収も紹介

税理士の仕事内容はなかなかハードでしたが、給与はどれくらいなのか気になりませんか?
税理士の平均年収はおよそ958万円(2020年厚生労働省「賃金構造基本統計調査」)です。
国税局によるとサラリーマンの平均年収が461万円なので、比べるとわかりやすくなりますね。
この項では、税理士の給与について詳しくご紹介します。
税理士の給与はどれくらい?年齢や性別での違いを紹介
働くからにはしっかりと知っておきたいのは給与ではないでしょうか。
税理士として駆け出しの20代から、実績を積む30代、稼ぎ頭の40代と、給与がどのように推移していくかを分析していきましょう。
税理士の年収の情報は、厚生労働省が2020年に発表している「賃金構造基本統計調査」を参考にしています。
業種区分として、会計士と税理士を合わせた統計となっていますので、参考としてお考え下さい。
20代の年収
「賃金構造基本統計調査」では各年代を前半と後半に分けて平均年収を算出しています。
20代の場合だと、20~24歳までは364万円となっています。
一般的な企業に勤める20代の年収が300万円前後ですので、それより高い傾向にありますね。
20代で税理士の資格を持っている人は全体の1%未満です。需要に対して極端に少ないため、給与に恵まれているといえます。
そして後半の25~29歳では、およそ506万円にアップしています。この飛躍的な伸びはどうして起こるのでしょうか。
20代前半の給与が後半に比べて低いのは、税理士試験の科目合格者が5科目合格を目指して働きながら勉強をしているから、というのも考えられます。
30代の年収
30代の平均的な年収はおよそ961万円です。30代前半の税理士だと913万円で、後半になるとおよそ1,009万円まで上がっていきます。
しかし、税理士の世界では30代はまだまだ若手と見られているため、年収アップに向けて転職が活発になるようです。
キャリアを積み、依頼者を増やしながら、40代での独立を目指して力を貯めている人も少なくないようです。
40代の年収
40代になると税理士の実務経験は十分です。組織では役職が付いているケースも少なくないでしょう。
経験や人脈を築けていますので、それを活かして独立する人が増えるのもこの年代です。
そういった理由から40代の平均年収はおよそ1,133万円とどの年代よりも高くなっているようです。
年収の男女差
資格が必要な職種なので、男女で年収に差は出ないように思いますが、実際はどうなのでしょうか。
「賃金構造基本統計調査」を見ていると、20代後半から男女で100万円以上の年収の差が出てきます。
これは出産や育児で一時的に仕事量をセーブする時期があるからだと考えられます。
しかし、税理士は資格職なので復職しやすく、会社員やパートタイムで働くより高収入を得やすい特徴があります。
税理士の給与は仕事内容で違う!4つを比較しよう
税理士の就職先として4つ紹介しましたが、どこを選ぶかによって給与にも違いがあります。
- 税理士事務所または会計事務所
- 税理士法人
- 一般企業内の税理士
- コンサルティング会社
4つの就職先でどれくらい年収が違うかを見ていきましょう。こちらで紹介している年収は年齢別ではなく、全体の平均金額です。
<税理士または会計事務所>
一般的な税理士事務所や会計事務所に勤めた場合、事務所の規模や仕事内容にも寄りますが平均年収はおよそ300万円~600万円と言われています。
税理士は経験年数が増すにつれて、より専門性が深まるため、給与も高くなっていくようです。
<税理士法人>
大企業向けの税務や特殊な仕事内容を請け負っており、給与の面でも一般的な事務所に比べて高額です。年収はおよそ600万円~1,200万円ともいわれています。
大企業が相手なので、国際税務や特殊な税務処理のスキルが要求されることもあるでしょう。
<一般企業内の税理士>
一般企業に就職した場合、その給与は企業によるので一概にはいえません。
例えば業績がよい大企業であれば、高い給与がもらえる可能性があります。
一方で中小企業に就職した場合は一般的な税理士の給与より低くなるケースもあるようです。
しかし最低年収でもおよそ500万円以上といわれており、国際税務などの経験や実績があれば600万円以上になることもあります。
<コンサルティング会社>
コンサルティング会社での年収も、一般企業同様にひとくくりでは説明できない部分です。
コンサルティングをおこなう業種や事業規模、税理士自身の仕事内容でも年収は大きく異なります。
大体の年収はおよそ400万円~600万円が一般的なようです。
税理士は資格職なので、生涯現役として働けることも魅力です。
歳を重ねると経験や、人脈が広がりますのでより仕事には有利になるでしょう。
まとめ

- 税理士の仕事内容をわかりやすく表現すると、税務の専門家
- 公認会計士と税理士をわかりやすく区別するには、独占業務の違いを把握しておくとよい
- 税理士の資格を取得するには時間がかかるが、保有していると社会的な信頼を得られる
- 就職先は税理士事務所が一般的だが、積みたいキャリアによっては他を選ぶこともできる
- 税理士の一日の流れは繁忙期と閑散期で違うが、事務所の外に出て行う仕事も多い
- 仕事内容はハードだが、依頼者と信頼関係を築けるなど、税理士のやりがいは大きい
- 税理士の給与は一般的な会社員より100万円以上高い
頼れる税の専門家である、税理士の仕事内容をわかりやすく理解できたでしょうか。
税理士の資格を取得するのは難しいようですが、とても大きなやりがいを感じましたね。
税理士の仕事について理解が深まったら、今度は職場環境が気になってきたのではないでしょうか。
この本は簿記の資格を持っている人に向けて書かれていますが、現役税理士が税理士事務所の全てをとことんわかりやすく解説しています。
やりがいや、将来性、AIとどう差別化していくかなど、興味深いテーマも盛り込まれてあっという間に読める一冊です。
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