登山に必須な登山靴ですが、正しい洗い方を知っていますか?
登山靴は泥や土を落とし、水洗い、場合によってはクリーナーを使ってきれいにすると劣化を遅らせることができ長く履くことができます。

毎回洗うのはめんどくさいし洗い方なんてわからない…
登山が趣味の知人も登山靴を洗うのはめんどくさくて大変だと言っていました。
ですが、登山靴を洗うことにはメリットがたくさんあるのです。
登山が終わって帰ったら次の登山まで泥が付いたまま放置してしまっていたあなた!
定期的に泥を落とし、お手入れをすることで登山靴の破損やソールのはがれに気づくことができるのです。
安全に登山を楽しむために正しい登山靴の洗い方を勉強し、お気に入りの登山靴を長く履いていきましょう。
登山靴の汚れを落とすのには専用のブラシが必要です。
汚れを落とすだけではなくツヤも出してくれますよ!
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登山靴の洗い方で泥を落とすメリットを確認しよう

登山靴は長く履いていくために定期的にお手入れが必要です。
普通の靴と洗い方に違いはあるのでしょうか。また洗うとどんなメリットがあるのでしょうか。
やってはいけない洗い方についても紹介していくので、しっかり確認していきましょう。
登山靴を洗うメリットは?破損やはがれに気付ける
なぜ登山靴は定期的に洗わないといけないのでしょうか。理由は大きく2つあります。
- より長く登山靴を使うことが出来る
- 登山靴の破損やソールのはがれなどに気付くことが出来る
とても大事なことなので一緒に確認していきましょう。
<より長く登山靴を使うことが出来る>
大切な登山靴ですが、長く履いていくためには定期的なお手入れが必要です。
登山後に泥や土がついたままにしておくと、汚れによってはっ水加工が弱まってしまったりソールが劣化したりしてしまいます。
靴のソールにはポリウレタン樹脂というものがよく使われるのですが、その素材は空気中の水分でも劣化していきます。
泥や土の汚れを付いたまま放置してしまうと、その劣化を早めてしまうのです。
<登山靴の破損やソールのはがれなどに気付くことが出来る>
定期的に登山靴のお手入れをすると靴の状態を見ることになるので、靴の破損やソールのはがれなどにいち早く気付くことが出来ます。
登山靴は登山者の命を守る大事な道具です。定期的なお手入れをしながらしっかり点検をし、安全に登山へでかけましょう。
とっても簡単!登山靴の洗い方の8つの手順を紹介
どのような洗い方が正しいのでしょうか。洗い方について説明していきます。
難しそうですが慣れると10分ほどで洗えますよ。
- 必要な道具をそろえる
- インソールと紐を外す
- 軽い汚れをブラシで落とす
- 表面の汚れを水洗い
- 取れないときはクリーナーを使う
- アウトソールを洗う
- 水分を拭き取って乾燥させる
- 防水スプレーやはっ水スプレーをする
手順が多いように見えますがそんなに難しいことではないですよ。順番に説明していきます。
- 必要な道具をそろえる
割りばし、スポンジ、ブラシ、新聞紙、タオルや雑巾、防水スプレーorはっ水スプレーを用意しましょう。
汚れの具合によっては専用のクリーナーや洗剤も必要です。
- インソールと靴ひもを外す
登山が終わって帰宅したらまずインソール(中敷き)を外しましょう。
靴の中は汗で蒸れているので、そのまま放置するとカビや臭いの原因になってしまいます。
どんなに疲れていてお手入れを後回しにするとしても、インソールだけは外してしまいましょう。
インソールは丸洗いできるものは洗い、靴紐は中性洗剤で洗います。
靴紐はネットに入れて洗濯機で洗うこともできます。
靴の中に入った砂や石を出し、固く絞った雑巾などで汚れを落としましょう。
汚れが酷い場合はブラシで落とすと良いですよ。
- 軽い汚れをブラシで落とす
表面についた砂や乾いた泥の汚れはブラシで落とします。
軽い汚れならブラシをするだけできれいになります。
- 表面の汚れを水洗い
ブラシで落ちなかった泥汚れなどはスポンジで洗います。
この時靴を水に付けるのではなく、スポンジに水を付けて優しくこすります。
靴の内側に水が入ってしまわないようにタオルなどを詰めて洗うといいでしょう。
- 取れないときはクリーナーを使う
水洗いでも取れない汚れの時は専用のクリーナーを使います。
登山靴の素材によってクリーナーの種類も変わるのでしっかり確認してから購入しましょう。
種類によってはシミになることもあるため、目立たないところで試してから全体に使うようにしましょう。
- アウトソールを洗う
アウトソールとは靴底のことです。ここに小石や泥が詰まっていることがあるので割りばしやドライバーなどで取り出します。
破れやはがれが無いかも一緒に確認しましょう。
アウトソールはゴシゴシこすっても大丈夫です。しっかりとこすって汚れを洗い流しましょう。
- 水分を拭き取って乾燥させる
表面に残った水分をタオルや雑巾で押さえるように拭き取ります。
風通しの良い場所で時間をかけてしっかり乾かしましょう。
この時直射日光は生地の劣化に繋がるため、日陰で干しましょう。
- 防水スプレーやはっ水スプレーをする
しっかり乾いたらはっ水スプレーや防水スプレーをかけましょう。
はっ水効果だけでなく汚れも付きにくくなります。
素材によってはスプレーが使えない場合もあるので事前にしっかり確認しましょう。
また、スプレーは風通しの良い屋外で使用しましょう。
やってはいけないNG行為!お手入れ方法を見直そう
せっかく大事に履いてきた登山靴で注意しなければならないのが、やってはいけない洗い方や保管方法です。
間違ったお手入れは劣化を早めてしまったり、靴にダメージを与えてしまったりするので注意しましょう。
- 力を入れてブラシでこする、内側に水を貯めて丸洗い
- 汚れたまま防水スプレー
- 登山靴を箱に入れて保管
これもだめだったの?というお手入れ方法もあるかもしれませんね。
<力を入れてブラシでこする、内側に水を貯めて丸洗い>
これはどちらの洗い方も撥水性能が落ちてしまいます。
泥がたくさん付いているからと力を入れてブラシでこすると繊維が傷ついてしまいます。
内側に水を貯めると内側から水圧がかかってしまい防水機能が低下するものもあるそうです。
普通の靴のようにザブザブ水洗いしてはいけないんですね!
靴の種類によるので心配な人は購入するときにしっかり確認しておきましょう。
ブラッシングや拭き取りで汚れを落とし、水を使う場合は少量の水で洗うようにしましょう。
<汚れたまま防水スプレー>
登山靴が汚れたまま防水スプレーをしても意味がありません。
しっかり汚れを落としてから防水スプレーをしましょう。
<登山靴を箱に入れて保管>
購入したときに入っていた箱や袋に入れて保管するのはやめましょう。
湿気によって登山靴に大きなダメージを与えてしまいます。
これは意外とやってしまっている人が多そうですね。
高温多湿を避けて通気性のいいところに保管するようにしましょう。
靴のお手入れにはブラシは必須です。
泥や砂の汚れを簡単に落としてくれます。
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登山靴は洗い方とお手入れを知り正しく保管しよう

登山靴の洗い方は難しくなかったですが、普段のお手入れや保管方法も何か特別な方法があるのでしょうか?
また破損してしまったときの修理方法や、登山靴の寿命についても説明していきます。
登山を楽しんでいる時に登山靴が破損してしまった!ということが起きないように、洗い方の確認だけではなく普段のお手入れもしっかり行いましょう。
登山靴のお手入れ方法と保管方法について説明
登山靴は保管方法によって劣化を遅らせることができます。
- 高温多湿、紫外線を避ける
- たまに風に当てる
- 臭い対策
少しの事に気を付けるだけで劣化を遅らせることができるのでぜひ実践していきましょう。
<高温多湿、紫外線を避ける>
登山靴によく使われるポリウレタン樹脂は高温多湿を嫌います。
玄関に出しておくなど風通しの良い室内で保管しましょう。
靴箱の中や車の中など高温多湿になる場所への保管は避けましょう。
また紫外線も苦手なので日の当たらない場所に保管するようにしましょう。
<たまに風に当てる>
時々陰干ししてカビの発生や素材の劣化を遅らせましょう。
少し履いて歩くのも劣化を防ぐことに効果的です。
<臭い対策>
キッチンペーパーやガーゼに重曹を包んで靴の中に入れておくと消臭してくれます。
靴専用の防臭、除湿のグッズも販売しているので見てみるのもいいかもしれませんね。
もし壊れてしまったら?自分でできる修理法を紹介
登山靴のソールは何もしなくても劣化していくのではがれてしまうことはよくあることです。
少しでもはがれていたらすぐに修理をしましょう。
お店に修理依頼をするのが確実ですが、自分で修理することもできます。
- 修理するための道具を準備する
- はがれた部分のゴミなどを拭き取る
- 接着剤を塗る
- ガムテープなどで固定し5日~1週間乾かす
お店に修理依頼を出すより修理費もとても安く済むので自分で修理することをおすすめします。
<修理するための道具を準備する>
ゴム用接着剤、つまようじ、ガムテープ、布、新聞紙を用意します。
汚れを防ぐために新聞紙を敷いて作業しましょう。
<はがれた部分のゴミなどを拭き取る>
接着剤のカスなどを布やウエットティッシュなどで拭き取ります。
<接着剤を塗る>
はがれた部分にまんべんなく接着剤を塗ります。
つまようじを使って奥の方にもしっかり塗りましょう。
瞬間接着剤はすぐ乾いて使いにくいので普通の速乾タイプの接着剤がおすすめです。
<ガムテープなどで固定し5日~1週間乾かす>
接着剤を塗った面を貼り付け、ガムテープや洗濯ばさみなどでしっかりと固定します。
1日ほどで乾いたかも?と思うかもしれませんが最低5日はしっかりと乾かします。
登山靴はどのぐらい履ける?一般的な寿命は3~5年
大事にお手入れや修理をしていても、どんなに丁寧な洗い方をしていても、登山靴には寿命があります。
一般的には3~5年ほどでソールが劣化してしまい、履けなくなります。
知人は丁寧なお手入れでなんと10年も履いているそうです!
ソールが寿命を迎えた時は、専門店にソールの張替えをお願いすることができます。
その他にも滑りやすくなったり、かかとやつま先の減りが目立つようになったりしたらソールの張替え時期が近いかもしれません。
ただし、ソールの交換は交換時に防水効果が落ちてしまうことがあるため基本的に1回限りだそうです。
また靴自体が傷んでいる場合は交換可能時期であっても張替えができないこともあります。
普段からしっかりお手入れしていれば防げることなので気を付けましょう。
登山靴の洗い方を素材ごとに必要な道具も合わせて紹介

登山靴の基本的な洗い方は確認しましたが、登山靴にはどのような素材が使われているのでしょうか。
主に使われている素材と、素材別の洗い方を紹介します。
登山靴によく使われるゴアテックス素材について説明
登山靴を選ぶと「ゴアテックス」という素材をよく目にします。
ゴアテックスとはレインウエアによく使われている外側からの水分を通さず、内側からの湿気は逃がしてくれるという高機能素材です。
登山靴は大きくヌバックやスエードといった革素材のものと、ナイロンなど化学繊維の素材の2種類がよく使われています。
ゴアテックスはその両方の靴の内側によく使われています。
ゴアテックス素材の洗い方で注意することは、漂白剤を使わない、柔軟剤、芳香剤を使わない、汚れをしっかり落とすことです。
漂白剤は素材を傷め、柔軟剤や芳香剤は防水効果が落ちてしまいます。
先ほど、登山靴の内側の水洗いは避けるように言いましたが、洗える靴の場合もあります。
洗える場合はよくそそぎ、素早く乾燥させることが大事です。
ゴアテックスの機能の低下や傷みにつながるので注意して洗いましょう。
革素材の登山靴はお手入れ方法が少し変わる
登山靴には革素材と化学繊維がよく使われていますが、ここでは革素材について紹介します。
- ヌバック
- スエード
特に良く使われる2種類について、お手入れの方法を含め紹介していきます。
<ヌバック>
ヌバックとは牛や羊などの表皮を削って毛羽立たせて、ざらざらとさせた質感の素材です。
先ほど紹介した洗い方と少し違うので、ヌバック素材の登山靴の洗い方を紹介します。
- 革用のブラシで表面の汚れを落とし、酷いところはブラシに水を付け軽くこする
- それでも落ちない場合はスエードシャンプーを使い、スポンジや布などで拭き取る
- 洗剤が残ってしまわないようにしっかりとすすぐ
- スエードスプレーをかけ、しっかり乾燥させる
- 5回に1回程度、手入れ用オイルを塗り、乾燥させ防水スプレーか油性ワックスをかける
革製品のヌバックは少し手間が増えてしまいますが、革製品は使えば使うほど味が出てきて魅力がいっぱい詰まっているので私は好きです。
<スエード>
スエードは子牛や子ヤギの裏皮を削って毛羽立たせたものです。
ヌバックとの違いは外側に革の表を出すか裏を出すかの違いです。
また、スエードの方が薄く柔らかいのでよりデリケートな素材です。
お手入れの方法は上記のヌバックとほとんど同じですが、スエードの方がカビやすいので湿気に気を付けましょう。
カビが生えてしまった場合は、カビ取りクリーナーもありますがなかなか取れないので専門の業者にお願いしてきれいにしてもらいましょう。
まとめ

- 登山靴の正しい洗い方は劣化を遅らせ、破損やはがれにいち早く気付くメリットがある
- 登山靴の洗い方は8つの手順でできる
- 高温多湿、紫外線を避けて保管するといい
- 登山靴の寿命は3~5年だが、丁寧にお手入れをすることで長く使用することができる
- 登山靴にはゴアテックスという高機能素材がよく使われている
- 革素材の登山靴のお手入れにはスエードシャンプーやスエードスプレーを活用しよう
めんどくさいと思ってついつい後回しにしてしまいがちな登山靴のお手入れですが、洗い方や保管方法は確認できましたか?
楽しく安全に登山をするため、何より命を守るために必要なことなのでめんどくさがらずにしっかりとお手入れしていきましょう。
そして、ぜひお気に入りの一足を長く楽しみましょう。
靴の汚れを落とすのに必要なブラシですが、実は革製品の鞄やコートなどにも使えます。
一家に一つあって損はないですよ。
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