
上司が仕事をサッカーに例えて話すけど、どういう意味?
会社や組織で仕事をしていると、お褒めの言葉をいただいたり、時にはしかられたり、様々な人との関わりの中で何かに例えて説明されることがありますよね。
仕事をサッカーに例えて考えると、実はビジネスに役立つことがたくさんあるんです!
私は以前、上司から「君はうちの課の右サイドバックだから期待しているぞ!」と言われたことがあり、「何の例えだろう?」と一瞬戸惑ったことがあります。
サッカーにあまり詳しくない場合、ルールや専門用語がわからず、上司の意図がつかめないこともありますよね。
今回は、仕事とサッカーの共通点、サッカー型組織について、そしてサッカー関連の職業についてご紹介していきます。
この記事を読めば、あなたも組織の見え方が変わるかもしれませんよ!
理想的な組織を作って運営するってかっこいいですよね。
でもその反面難しそうだな?とも思いませんか?
こちらの本では今の時代に合った組織作りを学ぶことができますよ。

仕事をサッカーに例えると組織が見えてくる!

仕事は、1人でできるものもありますが、チームで協力して1つの目標に向かってプロジェクトなどを進めていくことも多いですよね。
それをサッカーに例えてイメージしてみると、不思議とスムーズに考えることができるのです。
仕事をサッカーに例えて考えるための基礎知識
あなたは、サッカーを観戦したことがありますか?
サッカーは、1チーム11人でプレーをして、相手のゴールにボールを蹴って得点を入れる球技であることはご存じだと思います。
チーム全員に共通する大きな目的は、「得点をとること」ですよね。
ボールを蹴り込むために相手ゴールの近くにいた選手が得点を決めたとしても、その選手だけでは試合に勝つことはできません。
サッカーにはどのような役割の選手がいるのか、まとめてみました。
- GK(ゴールキーパー):常に自分のチームのゴールを守る選手
- DF(ディフェンダー):相手の攻撃的な選手をマークしてボールをカットするなど守備をする選手
- MF(ミッドフィルダー):ボールをゴール前までドリブルやパスをしながら運ぶ選手
- FW(フォワード):得点をとるために前で攻撃的にゴールを狙いにいく選手
サッカーの主なポジションはこちらの4種類です。
しかしDFの中でも相手の攻撃を食い止めることがメインのセンターバック、守備からサイドを使って攻撃も担当するサイドバック、など細かい役割があります。
サッカーの試合では、得点をとらないと勝つことはできませんが、それ以上に失点をしてしまうと意味がありません。
一度もボールに触らなくても、それが相手の攻撃を阻止することになれば大きな役目を果たしているのです。
仕事をサッカーに例えて考えると会社の仕組みがわかる
次に、仕事をサッカーに例えて考えるために、仕事とサッカーの共通点を考えてみましょう。
- 「試合で勝つ(得点をとり、失点をしない)」という、チームの目的が明確
- ポジションごとに役割が異なるが、流動的に対応できる
- ルールはあるが、その中で個々が判断して動く
- 1人で勝負しても、コンビネーションを使っても良い
サッカーで言う「得点をとる」ことは、会社では「売上をあげる」ことです。
「失点をしない」ことは「コストを下げる」ことに例えられます。
会社の各部署が、サッカーのどのポジションと同じであるとは言い切れません。
しかしそれぞれの部署が「売上をあげる」ことと「コストを下げる」ことを目指して、貢献することで会社は成り立っています。
つまり、全員で仕事というゲームを戦い、組み立て、試合に勝つことに取り組んでいるのです。
営業部門、管理部門、開発部門、総務部門の全てが得点をとる(=売上をあげる)ことに直接的に関わっているわけではないですよね。
しかし、それぞれのミッションを各部署でこなすことが、サッカーでいう「勝つ」ために必要なポジションということがわかりますね。
一流のサッカー選手から仕事で成功する秘訣を学ぶ
今回は2人の有名なサッカー選手、監督の例をご紹介します。
仕事をサッカーに例えて考える上でとても重要な考え方なので、意識してみてくださいね!
遠藤保仁選手
遠藤選手は日本代表の歴代最多出場記録を保持しており、日本中の誰もが知っている選手なのではないでしょうか。
自分の成長を感じ、変化を楽しむというポジティブな考えが遠藤選手の成功の秘訣です。
遠藤選手は自分の理想としているサッカーとは真逆でも、新しいスタイルに柔軟に対応することができます。
遠藤選手は歴代の6名の代表監督から評価されてきました。
それぞれの監督によって戦術スタイルが異なるにもかかわらず高く評価されてきたということは、ずば抜けた適応能力があるのです。
森保一監督
ワールドカップで日本中に夢と感動を与えてくれた森保監督は、強い組織を作るまさに「プロ」です。
森保監督は試合前に立てた戦略に対してどれだけ動くことができ、間違えを修正できるかを大切にしています。
また森保監督は、状況に応じた判断力が選手に身に付いているかを見て、選手の「考える力」を鍛えるようにしているそうです。
選手一人一人が、自分の成長を実感できるような時間を過ごせるように監督として言葉を投げかけ、選手からも信頼されています。
選手たちが個々人で自立した力をつけることに重きを置いて人材育成をしていたからこそ、今回のワールドカップでもレベルの高いチームを作ることができたんですね。
組織で仕事をしていると、直属の上司やチームのメンバーと合う合わないがあるのは当たり前だと思います。
しかし遠藤選手のように、上司のタイプによって柔軟に対応し、変化を楽しむことができればどんな環境でもポジティブに乗り切ることができますね。
また、人材を育成する立場にある人は、森保監督のように部下の自立を促し「考える力」を伸ばすことは仕事においても成長のカギとなるかもしれませんね。
仕事はサッカー型チームが野球型チームよりも強い!

組織の中には、メンバーや仕事内容によって様々な特徴を持つチームが存在しています。
今回はサッカー型チームと野球型チームに分けて、組織を分析してみました。
あなたが所属するチームはどちらの型に近いでしょうか?
また、どちらで仕事がしたいですか?
サッカー型チームと野球型チームの違いを紹介
野球は、サッカーと対照的なスポーツとして比較されやすいですよね。
2つのスポーツでは、チームのメンバーがどのように連携しているか、環境の変化にどのように対応するのかという視点で一緒に考えてみましょう。
- 上司からの指示に従って正確に業務を行う「管理型の組織」
野球は9人それぞれが役割、ポジションを持ち、ポジション同士がしっかり連携をとれるように日々練習を重ねています。
野球では、自分たちのチームの熟練度やチームとして全員が同じ方向を向くことが勝利のカギとなっています。
監督やコーチが出した指示を選手たちは確実にプレーし、選手たちのポジションや打順が変わることはありません。
対戦相手などの環境に合わせた戦略も重要ですが、野球は監督が練った戦略通りに戦うことができるかが勝敗の分かれ道になります。
- 上司が方針や戦略を立て、やり方は現場に任せる「自律型の組織」
サッカーは、監督の戦略や戦術に基づき、選手が状況に応じて臨機応変にプレーすることが求められます。
サッカーもメンバーが役割、ポジションを持ち、チームの勝利のために向けて戦う点は野球と同じです。
しかしメンバーで連携をとることはもちろん、相手の動きなどの環境の変化に対して柔軟に役割を変えながら対応しなければ、ボールが相手に奪われてしまいます。
またサッカーでは、試合中に監督が細かくプレーに対して指示を出すことはありません。
選手は自分達の判断で流動的に動き回っているのです。
これまでの社会は、野球型チームが良しとされてきましたが、近年は多くの企業でサッカー型チームへの組織改革が進み、成果を出しているようです。
時代の変化とともに、組織も変わりつつあるんですね。
野球型からサッカー型へ働き方を変えて仕事をしよう
次に、仕事をしていく中で私たちのライフスタイルに最も重要な「働き方」を野球型とサッカー型に当てはめて考えていきましょう。
あなたの最近の仕事への取り組み方はどちらですか?
野球型の働き方
野球の試合には、時間の制限がありません。
時間制限を設けず、成果が出るまで仕事を続ける「残業だらけ」の働き方は野球の試合に例えて考えることができます。
コールドゲームは例外ですが、必ず9回裏まで試合が行われます。
また、打者が粘れば粘るほど観戦する方はワクワクしますが、そのぶん時間もかかります。
サッカー型の働き方
サッカーは1試合90分という決められた時間内で試合が行われます。
時間制約のなかで結果を出さなければならない「効率重視」の働き方はサッカーの試合に例えて考えることができます。
数分のアディショナルタイムはありますが、時間がくれば強制的に試合は終了します。
近年、「働き方改革」で多くの企業が残業を減らす取り組みを推進していますよね。
ムダな作業を減らし、優先順位を考えながら仕事に取り組む習慣を身につけ、これまでの働き方を見直してみましょう!
- 帰社時間を決める
- 昼休みを境に1日を前半と後半に分ける
- 今日中に必ず完了する仕事を決め、その後で他の仕事の優先順位を決める
- 一つの仕事を完了するまでにどのくらいの時間がかかるか予想して取り組む
- 実際に完了するまでにかかった時間と予想時間を比較して、遅かった場合は原因と対策を考える
上記のリストを活用して、あなたも仕事の効率化をはかり残業を減らしましょう!
効率的に仕事ができると、無駄な時間が減りますね。
しかし、組織となると効率化を進めることは難しいと思っていませんか。
でも、社員1一人一人が意識することで、組織が変化していきますよ。

仕事でサッカーに関連する職業について知ろう

ここまで、仕事や組織という面でサッカーに例えて考えてきましたね。
サッカーというスポーツに興味がわいてきた方も少なくないのではないでしょうか?
私も以前、スポーツに携わる仕事をしてみたいと思ったことがあります。
最後に、サッカーに関連する仕事についてご紹介していきます。
サッカーの試合に直接関連する職業を3つ紹介
サッカーの試合に直接関連する職業はこちらの3つです。
- Jリーグなどのプロのチームを運営するスタッフ
- 監督やコーチなどの指導者
- 試合の審判員
皆さんも想像できる職業なのではないでしょうか。詳しく見ていきましょう。
<Jリーグなどのプロのチームを運営するスタッフ>
サッカーに直接関わることができる、人気のある仕事です。
プロのチームも一つの会社として運営しているので広報、営業、企画など業務内容は多岐にわたります。
<監督やコーチなどの指導者>
チームを率いて選手たちを指導する仕事です。
プロのチーム以外にも、小中高生のチームや部活の指導を行うという選択肢もあります。
<試合の審判員>
サッカーの試合を円滑に進行するために欠かすことのできない仕事です。
審判員になるには認定試験(4級〜1級)に合格する必要があります。1級に合格すると、Jリーグやワールドカップで審判をする資格をとることができます。
サッカーを陰で支える5つの職業について紹介
次にサッカーを陰で支える5つの職業についてご紹介します。
- スポーツトレーナー
- 選手の代理人となるエージェント
- スタジアムを整備するグラウンドキーパー
- スポーツメディア
- スポーツアナリスト
こちらは先ほどの職業に比べると、あまりイメージがつきにくいものも多いのではないでしょうか。
<スポーツトレーナー>
食事、トレーニング、テーピング、マッサージなど様々な面から選手たちをサポートする仕事です。
<選手の代理人となるエージェント>
選手とチームが契約するのを代理で行ったり、選手のパフォーマンスの共有、分析を行ったりします。
<スタジアムを整備するグラウンドキーパー>
天候やチームの特徴を見てラインを引いたり、芝の長さを調節したりしてグラウンドの状態を管理する仕事です。
<スポーツメディア>
インタビューをして記事を書いたり、企画を考えたりしてサッカーの魅力を多くの人に広める仕事です。
サッカーだけでなく他のスポーツに関わることもできます。
<スポーツアナリスト>
あらゆる試合をデータ化して分析し、その情報を提供する仕事です。
最近は監督やコーチが数値化されたデータで作戦を考えることが増えているため、今後需要が高まりそうな仕事です。
その他にも、サッカーに関連する仕事はたくさんあります。
子どもたちに夢を与えるサッカー選手だけでなく、様々な分野でサッカーに関連する仕事があるということがわかりましたね。
まとめ

- 仕事とサッカーには共通点があり、仕事をサッカーに例えると、各部署が連携して組織が成り立っていることがわかる
- 一流のサッカー選手の考え方を取り入れることは仕事をする上でプラスになる
- 各企業では、野球のような「管理型」チームからサッカーのような「自律型」チームへの組織改革が進み、成果が出ている
- 働き方改革により、「効率重視」のサッカー型の働き方を推進している企業が増えている
- サッカーに関連する仕事は多岐にわたり、選手をサポートする業務やサッカーを普及するための業務などがある
以上のことから、仕事をサッカーに例えて考えてみると、組織や働き方について改めて考えるきっかけになったのではないでしょうか?
ところで、私の上司が「右サイドバック」の例を出して仕事をサッカーに例えていましたね。
「一見、事務作業ばかりやっているように見えて、意外なところから契約をとってくることが頼もしい」という意味だったようです。
あなたも、上司が仕事でサッカーに例えて話をしていた理由が、なんとなくわかりましたか?
ぜひ、仕事にサッカー的な考え方を取り入れてみてくださいね!
今の組織作りの方法で合っているのかな?
と疑問に思ったら、組織について一度見直してみるのもよいでしょう。
こちらの本が手助けになりますよ。
