皆さんは、北欧のパンにどのような種類があるかご存じですか?
北欧のパンとは、スウェーデンやデンマークなどの北欧諸国で食べられているパンのことで、一般的にはライ麦やオーツ麦などの穀物が多く使用されているものを指します。
GI値が低い穀物を使用して作られていることから、最近では健康食品という面でも注目されており、人気が高まっています。
北欧ではパンを主食にしている方も多く、パンは現地の方には欠かせない食材になっています。
私達日本人の多くがお米を主食とするように、北欧のパンにも現地の方が基本的に主食パンとしている種類が存在します。
バリエーション豊かな北欧パンの中で特に一般的に食べられている人気の種類について、今回はご紹介していきます。
北欧のパンの種類の中で現地で人気なものを3つ紹介

北欧パンの発祥地として有名なのは、デンマーク、フィンランド、スウェーデンの三ヵ国と言われています。
中でも、特にライ麦パンの種類が多いとされているのがフィンランドです。
フィンランド発祥の北欧パンは、主食パンから甘いパンまで勢ぞろいで、見た目が変わった形をしているパンもあり、本当に幅広く種類がたくさんあります。
今回は北欧全土で日常的に食べられている、フィンランド生まれのパンを3つご紹介していきます。
最も一般的に北欧で食べられているのはハパンリンップ
ハパンリンップは北欧パンの種類の中でも北欧人に一番一般的に食べられている主食パンです。
基本的には楕円形ですが、長方形のものもあります。
作り方はとてもシンプルで、ライ麦ベースの生地にサワー種と塩だけを加えて作ります。
余計なものが入っていないため、どんな料理とも相性が良い種類で、食べ合わせに適しています。
硬く、食べ応え抜群なので、主食として食べている北欧人も多いそうです。
似ている北欧パンに「ハパンレイパ」というドーナツ型をしたパンの種類もあります。
ちなみに、北欧パンの名前によくついている「ハパン」は、フィンランド語で酸っぱいという意味があります。
名前にも北欧パンの特徴である、ライ麦やサワー種の独特な酸味を表しているんですね。
北欧で定番の惣菜パンはカレリアン・ピーラッカ
カレリアン・ピーラッカは、フィンランドのカレリアン地方で生まれた国民食とも呼ばれる北欧パンの一種です。
ライ麦粉のパイ生地を薄く伸ばし、中には牛乳で作ったフィンランドのリーシプーロというお粥を入れて、船型に包み焼き上げます。
プレーン味のカレリアン・ピーラッカは、どこかほっとする優しい味わいで食べやすく、世代を問わず愛されています。
この北欧パンの種類は上にサーモンなどの具材を乗せることも多く、プレーンは日本でいう塩むすびのような感覚のようです。
中身もリーシプーロだけでなく、マッシュポテトや人参など、他の具で焼き上げることもあります。
フィンランドのカフェには必ずといっていいほどある一般的な種類です。
軽食や朝ごはんとして親しまれている他、結婚式などかしこまった儀式や式典などにも出されることがあります。
出来立てが一番おいしい北欧パンの種類なので、食べる機会があったら焼き上がってすぐのカレリアン・ピーラッカを食べてみてくださいね。
魚料理に合う甘いパンはサーリストライスレイパ
サーリストライスレイパは少し甘い北欧パンで、フィンランド南西部にあるナウボという島で生まれました。
このパンもベースはライ麦粉ですが、ピーマ(フィンランドで売られている発酵乳)や麦ぬかなど少し特殊な材料を使用します。
焼成に1時間半もかかるので、先ほどご紹介した2つのパンよりは、作るのに少々手間がかかる北欧パンです。
生地にシロップが練り込まれており、表面は「リンップ」と呼ばれる黒蜜でコーティングされています。
そのため色は他の北欧パンの種類と比べると少し黒めです。
中身もどっしりしていて生地がぎゅっと詰まっているような感じです。
食感はもちもちしっとり、シロップが練りこまれているため甘い風味がふわっと香ります。
作る工程を見ているとデザートのようですが、実はこちらの種類のパンと一番相性がいいのは魚介系の料理なんです!
ライ麦の酸味と独特な甘みが、魚介類の塩味とマッチしてうまみを引き立てるため、現地の人も魚料理と一緒に食べることが多いそうです。
もちろん、甘さを活かしてデザートパンにもピッタリです。
フルーツを上に載せてオープンサンドにもできますよ。甘いパンとフルーツの酸味が相性ばっちりです。
まとめ

- 北欧のパンは雑穀を多く使用して作られており、GI値が低いため健康面にも優れている
- 多様な種類がある北欧のパンも現地で一般的に食べられている種類は限られていて、主食パンの中には甘いパンもある
- 北欧のパンは食べ方や付け合わせによって様々な楽しみ方ができる
北欧パンは小麦でなく穀物を使用して作られていることが特徴ですが、穀物の種類によっても、味や風味が全く違うので、食べ比べると面白い発見に出会うことができます。
北欧パンの種類は実に多く、全てを紹介することができませんが、今回はその中でも北欧の家庭で一般的に食べられている北欧パンをご紹介しました。
ぜひご自身の好みの北欧パンを探してみてくださいね。