発達障害の原因は家庭環境ではない!正しい知識と相談窓口を紹介

子供

この子は難しい気質だけど…もしかして発達障害?

そんな思いが頭をよぎると、原因は家庭環境なのだろうかと悩んでしまいます。

現時点での研究では、発達障害が起こる理由は家庭環境とは関係ないとされています。

前の世代の人たちは「母親の愛情不足だ」と心無い言葉を受けていましたが、今は違うのです!

発達障害は解明されていないことが多くありますが、診断方法や支援の仕方は進み続けています。

もしも我が子の発達障害を心配したとき、どうすればいいのでしょうか。

原因や症状、発達障害の分類を解説し、相談できる専門機関などを紹介します。

また、発達障害の原因と遺伝との関係についてもお話していきます。

原因はあなたや家庭環境ではありませんよ。落ち着いて、まずは知識を集めることからスタートしましょう。

発達障害と言われると難しく考えて、どう接していけばいいのか迷う人は少なくありません。実はコミュニケーション方法を工夫するだけでもよい効果が現れます。

こちらの本は、さらっと読めて分かりやすく「なるほど!」が詰まっています。気持ちを軽くするヒントを探してみませんか?

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発達障害の原因と家庭環境は無関係!症状と分類を紹介

研究が進み、発達障害を引き起こす原因は、そのほとんどが先天的なものであると言われています。

発達障害が発症する原因は家庭環境とは関係ないのです。

メディアでもよく聞くようになった発達障害ですが「どんなものなの?」と言われると、私も以前はよく分かっていませんでした。

まずは発達障害とはどんなものなのか、症状や分類について見ていきましょう。

発達障害の原因は実は未解明!最新医学の考え方を解説

人は自分が知らないことを不安に感じてしまう傾向があります。メディアで紹介されているときは、みんな困っていて、生きづらさを抱えていますよね。

発達障害とは、具体的にどんなものなのかを、まずは知っていきましょう。

発達障害とは

乳幼児期から青年期の発達の過程で明らかになるもので、行動やコミュニケーション、社会活動の中で現れる障害です。

これらの障害は常に生活の中に現れているのではなく、状況によってあったりなかったりを繰り返します。

そのため、周囲からは「わがまま」「自分勝手」「怠け者」などと思われてしまうことも少なくないようです。

発達障害の支援をしている医師や専門家はこの障害を「特性」と呼ぶことが多くあります。この記事でも「特性」と呼ぶことにしましょう。

発達障害の発症と家庭環境の関係

自閉症の原因を探るために、特性がある子供の家庭を対象にして、親の社会階層や年収について統計を取った研究者がいます。

その結果、親の社会階層や家計収入と、自閉症の発症率に格差はないことが分かりました。

発達障害を引き起こす原因は、まだ研究の途中で、研究者の間でも諸説あるようです。

こちらは医学会からの続報を待つとして、次項では現時点で分かっている発達障害の分類や症状についてご紹介します。

発達障害が増えているのか

発達障害は子供だけでなく、大人にもこの特性を持っている人がいると知られるようになりました。

そのため発達障害を診断する医師が増え、不安に思っている人々が受診していることで、診断数が増えたようです。

その他にも診断方法が新しくなったことや、学校や福祉の現場で支援の態勢が整い始めたことなど、様々な理由があります。

発達障害の症状とは?3つの分類とその特性を知ろう

発達障害を分類するのは専門医でも頭を悩ませることがしばしばあるようです。

特性はいつもあるものではなく、状況によって異なり、別の症状を併発していることがあるためです。

中には、どの特性も分類するほど強くは現れていないが、困りごとがある「グレーゾーン」とされることもあります。

まずは悩みすぎず「こんな症状があるんだね」と、知ることから始めてみましょう。

それでは、発達障害の3つの分類についてご紹介します。

自閉スペクトラム症(ASD)

自閉症スペクトラム症は子供のおよそ50人~100人に1人が診断されているもので、男の子に多い傾向があります。

原因は脳の発達のゆがみと考えられており、これは生まれつきのものです。

愛情不足や育て方、しつけといった家庭環境が原因ではありません。

次は自閉症スペクトラム症の特性について詳しく見ていきましょう。

  • 対人関係
  • コミュニケーション
  • 興味や活動への強いこだわり

これらの症状が3歳までに見られることが多いようです。

<対人関係>

目と目を合わせることや、顔の表情、身振りなど、言葉以外から気持ちを伝えたり読み取ったりすることが苦手です。

それに伴い、年齢相応な仲間作りがしにくく、楽しみや興味を分かち合えないことや、相手の意図や気持ちがくみ取れないことが多くあります。

くみ取れないので、悪気なく相手に失礼なことを言ってしまい、ますますうまくいかなくなってしまいます。

<コミュニケーション>

言葉の遅れや、言葉が出ない、身振りで伝えようとする動作が見られないことがあります。

幼児期に自閉症と診断される場合は発語がきっかけになることが多いようです。

会話ができるような年頃になっても、相手の態度に気を配れず、自分の意見を押し付けることや、文字通りの意味でしか言葉を理解できないということもあります。

<興味や活動への強いこだわり>

熱中できるものがあるのはとてもいいのですが、興味を限定し、それだけにただならぬ執着を見せるという特性があります。

例えば乗り物や動植物、国旗のように、種類が豊富で、知識を集めやすいものを好む傾向があります。

一度覚えた身支度やお散歩コースのような順番や形式に強いこだわりを示し、理由がある変更でも受け入れられず嫌がるということもあります。

注意欠如・多動性障害(ADHD)

その名前からも想像できますが「注意力の欠如」「多動性」「衝動性」の3つの症状があります。

発症する原因ははっきりしませんが、親からの遺伝や低出生体重などが挙げられつつあるようです。

こちらも自閉症と同じく、家庭環境や育て方は関係なく、テレビやゲームの観すぎでもないとされています。

子供たちが聞いたら「やっぱりテレビもゲームも悪くないだろ!」と言われてしまいそうですね。

しかし、睡眠障害は関係が深いと考えられているので、夜は早く寝て質のいい睡眠を取ることは大切です。

では、具体的に3つの特性の内容を見てみましょう。

  • 多動・多弁性
  • 衝動性
  • 注意力や集中力の散漫

子供の診断の指標は「7歳未満の子供で、これらの行動が2つ以上見られており、6か月以上続き、日常生活に困難な場面がある」とされています。

しかし「これぞ子供!」という項目ばかりですから、判断するのが難しいと言われているのも納得ですね。

<多動・多弁性>

おしゃべりが止まらないことや、順番を待つことが苦手でウロウロすることや、ゴソゴソと落ち着かないといった行動が目につきます。

教室でもじっと座っていられないので、動き回り、友達の邪魔や妨害をしてトラブルになることもあるようです。

<衝動性>

静かに遊ぶのは苦手で、状況の良し悪しに関係なく走り回ったり、高いところへ登ったりということがあります。

まるで何かに突き動かされるように、突然行動し始めることを繰り返すときは、注意して観察しておきましょう。

<注意力や集中力の散漫>

話しかけたときに聞いていないように見えることや、課題や遊びの活動で集中力を持続させるのが難しい傾向にあります。

気が散りやすいので指示に従えず、勉強や頼まれた用事を最後までやりきることができないことがあります。

必要なものの準備や、段取りを立てることも苦手です。

忘れ物や失くし物もこれらが関係している場合が多く、本人は怠けているわけではないのですが誤解されてしまうこともあるようです。

学習障害(LD)

学習障害には「読書困難(ディスレクシア)」「書字困難(ディスグラフィア)」「算数の計算が苦手(ディスカルキュリア)」の3種類あると分かってきています。

読書困難であれば、本を読もうとすると活字が崩れて見えることや、行がうまく追えず自分が読んでいるのがどこか分からなくなる、という事例があります。

書字困難では、文字の形がうまく書けないことや、鏡文字になってしまうなどがあるようです。

どのように症状が現れるかは子供それぞれで違いますので、観察が必要ですね。

発達障害を疑う前に家庭環境を振り返ろう!注意点4つ

発達障害は先天的なもので、発症の原因は家庭環境ではないとお伝えしてきました。

しかし、子供にとって家庭が安心して休める場所になっていないと、発達障害の有無にかかわらず、ADHDや自閉の傾向が強く出てくることがあります。

「最近、様子が変だな」と気付いたのであれば、まずは家庭環境に変化がなかったかを振り返ってみるのはいかがでしょうか。

そこで、子供たちが敏感に感じてしまうポイントを4つ挙げてみました。

  • 両親や親戚関係での不仲やトラブル
  • 母親の情緒が安定していない
  • 行き過ぎたしつけ、または無関心
  • 子供の周りの環境が変わった

キツい言葉が並んでしまいましたが、これらは子供が自ら解決しようとしてもできないこと、という共通点があります。解決方法を探してみましょう。

<両親や親戚関係での不仲やトラブル>

多少のケンカは悪いことではありません。夫婦だからこそ、分かり合えないときは意見をぶつけ合うのはいい方法です。

子供もそれを見て「人にはそれぞれ意見があることを学ぶ」とも言われています。

しかし、不仲やトラブルが長引くと話は全く違います。

夫婦間の不和や、実家との付き合い方などで揉めている場合は、大人同士でよく話し合って解決する方法を探すことが大切です。

子供を相談相手にしてしまうと、彼らにはどうすることもできない問題を背負わせることになりますので、注意しましょう。

あなたが子供を大切に思う気持ちと同じくらい、彼らもあなたを大切に思ってくれています。

<母親の情緒が安定していない>

「母親」としましたが、正確には普段子供と接することが多い家族、という意味合いです。

父親が家庭内でイライラしていても、子供たちは敏感に感じ取ります。お父さんも大事な家族なのです。

さて、いつも子供と接していると、忘れ物や学習の進み具合、友達関係など、悩みは尽きません。

私も学校から電話がかかってきて「○○を届けてもらえますか?」なんて言われることもしばしばです。勘弁してほしいですよね(笑)

「将来ちゃんと一人前になれるのだろうか?」と考えてしまいますが、これはおすすめしません。

この子に今、必要なことはなにかを考えることで、先々の悩みは追い出しておきましょう。

また、家庭内の負担が母親に集中しすぎていないかを振り返るのも効果的な方法です。

忙しすぎると脳みそはサボると言われています。それが情緒を乱す原因のひとつになります。

できる人が、できることを率先してやるように意識を持つだけでも、変わることはたくさんありますよ。

<行き過ぎたしつけ、または無関心>

「どんな理由があろうと、してはいけないことがある」と教えることがしつけです。

例えば、自分や友達がケガをしてしまったり、危ない目に遭ったりすることはしてはいけないと教えますよね。とても大事なことです。

しかし、教えるときについ手が出てしまうことはありませんか?いけないと知りつつも、感情が高ぶるとそうなってしまうこともありますよね。

私の友人はそれを幼稚園児だった息子から注意されたと話してくれました。

「ぼくが悪かったかもしれないが、叩かれるほどのことはしていない!」

友人は確かに、叩いてしまったのは、何度言っても聞いてくれなくて、腹が立った自分の気持ちの問題だと気付きます。

それを謝って改めると、息子さんも注意されたことを理解する努力を始めてくれたそうです。

これとは逆に、無関心も子供を傷つけてしまいます。忙しいと話を適当に聞きがちですが、彼らが話したいのは、今日1日のとびきりのハイライトです。

それをたくさん聞いてほしいと思いながら学校から帰ってきます。

親が少しでも聞いてくれたと思うと、子供の心は不思議と安心するようです。

<子供の周りの環境が変わった>

家庭の中のことではありませんが、子供の生活環境が変わると、それにストレスを感じてしまうことがあります。

幼稚園や保育園と違って、小学校は授業時間と休み時間がしっかりと区切られています。

雰囲気も全く違い、求められるものも変わってきますよね。子供たちの社会も、大人と同様に複雑で難しいことがたくさんあるようです。

我が家の子供たちも、懇談会などで学校の様子を聞くと「先生。どこか別のご家庭とお間違いでは?」と聞いてしまうほど、家とは違う頑張りを見せているようです。

必死で頑張っていたら、それが大きなストレスになってしまうというのは、大いにあるでしょう。

原因を取り除いて環境を改善できれば、脳のダメージは回復し、心配している行動が消えていく可能性は十分にありますよ。

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目的別や、子供の特性に合わせて見やすくまとめられています。

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発達障害が原因かもと子供の様子が気になるときは相談

家庭環境を振り返ってみたものの、原因になりそうなことは見当たりません。

しかし友達とトラブルがあったり、学校生活でうまくいっていなかったりする期間が長くなってくると、発達障害の可能性も疑ってしまいますよね。

子供の様子が気になるときは、専門機関に相談するのもいい方法です。

専門機関に相談するメリット、デメリット、相談先や流れをご紹介します。

子供の発達を専門機関に相談するメリットデメリット

「何かが違う」と感じたときに必要なのは「正しい認識」を持つことです。

子供の困りごとの原因が、発達障害だったとなるとネガティブな印象があります。認めたくない、隠したいと思う親御さんも多くいます。

しかし、発達障害は子供の特性として一生涯付き合っていかなければいけません。

少しでも早く子供自身に自分の特性を理解してもらえれば、社会生活に支障がないようにサポートすることができます。

そうした関わりを通して、厄介だった特性は魅力的な個性に変えることができるのです。

では、専門機関に相談する前にメリットとデメリットを知っておきましょう。相談するかどうかを考える参考になれば幸いです。

メリット
  • 子供の発達の特徴が分かる
  • 特徴に合わせた関わり方を知れる
  • 育児に対して安心できる

100%の正解で進めていけないのが子育てですよね。相談することで、ひとりで悩む時間を減らすことができそうです。

<子供の発達の特徴が分かる>

子供の発達は、全てのスキルが同じように伸びていくわけではなく、でこぼこしています。

得意不得意と考えてもらうと、分かりやすいのではないでしょうか。

このでこぼこを知るための検査方法があり、その結果を見ることで、親も視覚的に子供の得意不得意を把握できます。

その結果を聞くことで「だからこの子は、ここがうまくいかないのね」と原因を発見できるでしょう。

<特徴に合わせた関わり方を知れる>

検査結果を知った上で、特に弱いところをサポートし、発達が進んでいるところに追いつくよう手助けをしてあげることができます。

また、専門家が結果を読み解いて「文字より絵で見る方が分かりやすそうだから、教えるときは絵や画像を見せてあげましょう」といった、具体的な方法も教えてもらえます。

教えてもらった方法を学校と共有してサポート体制を相談することもできます。

<育児に対して安心できる>

今までは周りから「難しい子」と思われていないか、自分の育て方のせいだろうかと悩んでいませんでしたか?

相談することで、その子の困りごとは「特性」であり、本人のせいでもなければ、親御さんのせいでもないことが明らかになります。

その子に合う関わり方も聞けるので、不安をグッと減らすことができそうですね。

デメリット
  • 発達障害を受け止める必要がある
  • 診断は医師にしかできない
  • 相談時期が早すぎると診断がつかない

難しく感じることもあるかもしれませんが、デメリットの中にもメリットは潜んでいます。

あえてネガティブな側面を知ることで、プラスに転換していきましょう。

<発達障害を受け止める必要がある>

障害と言われるとやはりネガティブに捉えてしまいますよね。

子供も「みんなとは少し違うところがある」ということを理解するのに戸惑うかもしれません。その気持ちと向き合う心構えが必要でしょう。

しかし、子供は自分の特性を理解することで、それとうまく付き合う術を身に付けることができるでしょう。

発達障害を明らかにすることで、周囲からどう思われるか、いじめられるようなことがないか、不安を感じる場面は少なくありません。

周囲に説明し、理解してもらうことで家庭以外の子供の環境を守っていくことができます。

<診断は医師にしかできない>

医療機関以外に相談に行った場合は、必要に応じて検査をしてくれますが、直接的な診断はありません。

専門機関はあくまでも、発達のテストや聞き取りから、子供の現段階の発達具合を見て、アドバイスをするところまでです。

しかし、受診する目安を得ることができますし、病院を紹介してくれることもあります。

<相談時期が早すぎると診断がつかない>

発達障害の診断は見極めが非常に難しいとお話してきました。

それは子供の年齢が低いと「発達の特性」なのか「年齢やその子の性格」なのかをはっきり区別することができないからです。

ADHDの多動性はお子さんにはよくみられる行動ですし、自閉スペクトラム症にある人見知りは、子供の性格によるものかもしれません。

発達障害の診断には、状況や行動の観察が不可欠ですので、一度の受診で判断がつかない場合は、定期的な通院になることもあります。

通うのは大変と感じるかもしれませんが、子供に主治医がついたと思って、心配なことはどんどん相談しましょう。

子供の発達を相談できる専門機関や相談の流れを紹介

相談すると言っても、初めてのことで戸惑う親御さんはたくさんおられるでしょう。

発達障害について相談できる窓口は行政が実施している無料の機関と、診断や治療を行ってくれる医療機関があります。

発達障害は医師の診断がないと、ケアやサポートを受けられないというわけではありません。

受診について迷う場合は、まず無料の専門機関で相談してみることをおすすめします。

では、発達障害の相談を受け付けてくれる専門機関を見ていきましょう。

  • 市町村保健センター
  • 子育て支援センター
  • 発達障害者支援センター
  • 児童相談所

どれも行政機関が運営している施設です。相談の上、必要に応じて医療機関の紹介や、発達検査、支援などを行ってくれます。

<市町村保健センター>

各市区町村に設置されている施設で、高校生や成人に対する相談も受け付けてくれます。

<子育て支援センター>

地域自治体が直接または、民間に委託して運営しています。発達障害に限らず、育児への不安などの相談やアドバイスもしてくれます。

電話での相談もできますので、直接行くのが難しいときや、気軽に聞いてみたいことを相談するといいでしょう。

<発達障害者支援センター>

都道府県や指定都市が直接または、民間に委託して運営しています。

発達障害がある子供とその家族、関係機関からの相談を受け付けており、家庭での療育方法についてのアドバイスが受けられます。

必要に応じて、活用できる福祉制度や医療機関の紹介もしてくれます。

児童相談所とも連携しているので、発達障害に特化した相談先と言え、先述の2か所より踏み込んだサポートが受けられるでしょう。

<児童相談所>

虐待の対応をしているイメージが強くあるのではないでしょうか。

実は子供に関する様々な問題についても、家庭や学校からの相談に応じてくれます。

発達障害者支援センターとも連携していますので、心強いですね。

お住まいの地域では、どの専門機関を利用しやすいかを調べて、事前に電話で予約をしましょう。

夏休みなどの長期休暇は混み合いますので、早めに予約をしておくと予定を合わせやすくなります。

相談に際して準備するものがある場合もありますので、あわせて確認しておくとスムーズに進みますね。

さて、専門機関に相談する際の準備物について触れました。どんなものを用意するのか気になります。

相談する前に準備すること

子供が生まれた頃から現在までの様子を説明してほしいと言われることがあります。

相談内容の困りごとが、性格からくるものなのか、何らかの特性があってのことかを判断する材料にするためです。

母子手帳に書かれている健診の内容に沿って、詳しく書き出しておきましょう。

また、学校から勧められて相談に行く場合は、どのような報告があったかも答えられるように準備しておくといいですね。

考える時間を挟まなくて済みますので、相談時間を目いっぱい活用できます。

友人のお子さんは小学校の中学年で病院を受診したそうですが「過去の成績表を全て持ってきてください」と言われたと聞きました。

それぞれの学年を担任した先生が感じたことが、通知表から読み取れるそうです。

発達障害の子供は難しい?特性は個性として伸ばそう

もし相談に行って、発達障害だったらどうしよう

発達障害の子供を育てるのは難しいのだろうかと、不安が募ってしまうのは自然なことです。

特性と付き合っていくのは大変ですが、環境を整えて支援をすることで、個性として強みにできます。

魚類学者のさかなくんや俳優でモデルの栗原類さんも発達障害ですが、特技を活かして活躍されていますよね。

おふたりとも、小さい頃の家庭環境に助けられたと答えられています。

発達障害の子供を育てていくのは、一般的な子育てとどこが違うのか、どう対応すればいいのかを解説します。

大変さを感じる部分
  • 特性が強く現れているときの対応
  • 周囲からの理解を得る環境作り
  • 二次障害の発症
  • 母親の精神的な負担

書き出されただけでは、具体的にどんな状況か分かりにくいと思います。

「こんなことがある」と知っておくことで、いざ向き合うことになったときに驚かずに済みますね。

<特性が強く現れているときの対応>

発達障害にも3つの分類があり、それぞれに特性がありますね。

自閉スペクトラム症であれば、感情表現が苦手ですので、怒りや悲しみを内側にため込みやすいなどがあります。

そのため込んだものが外に出たときに、周りには理由が分からず癇癪を起したように見えるようです。

ADHDについても、衝動が抑えられず急に騒ぎ出してしまうことなどがあり、親から見ると理解できなくてどう対応するか迷ってしまうこともあるでしょう。

<周囲からの理解を得る環境作り>

親が見ても、子供の行動の意味が分からないことがあるくらいですから、周囲にはもっと伝わりにくいでしょう。

それを和らげるために、学校や習い事など、所属している場所ごとに子供の特性を説明し、受け入れてもらえるように話し合いをすることが必要です。

<二次障害の発症>

子供本人にも発達障害の特性は生活のしづらさを感じさせています。

自分には悪気はないのに、会話をしている相手が勝手に怒り出したように見えます。

普通にしているだけなのに仲間に入れてもらえないなど、様々な「なぜ?」と生活しているからです。

それらが積み重なると精神状態が不安定になり、体調不良や不登校に繋がる場合があります。これを二次障害と呼びます。

発達障害は診断された特性の他にも、この二次障害の発症を予防することも療育の目的のひとつとなっています。療育については、後ほど説明しますね。

<母親の精神的な負担>

母親(普段から子供と接することが多い人)は常に上の3つの悩みにさらされている状態が何年も続きます。

特性があっても、我が子が少しでも過ごしやすいように、のびのびと育ててあげたいと思います。

そのため子供のあれこれに振り回されて、クタクタになっている母親は少なくないようです。

発達障害の子供と向き合っている友人は「子供のメンタルがジェットコースターみたいで…どうケアしてあげたらいいか分からないときもあるよ」と悲しそうにしていました。

子供をどうケアしていくか、母親だけに負担が集中しないような工夫も必要です。

発達障害のレベルや子供の発達状態に合わせた支援をしていくことを療育と言います。どのように進めていくかを紹介しますね。

療育に向けた家庭環境を作る

療育は発達障害のレベルにもよりますが、家庭と専門機関で協力して行うことが一般的です。

家庭外で療育を行ってくれる施設は、小学生以上であれば、放課後等デイサービスが対象となります。

自治体や民間などがあり、運営している機関によって支援の方法が異なりますので、問い合わせして見学させてもらうのもいいでしょう。

友人が療育の支援員をしていますが「どの子もとってもかわいいの。日に日にできることが増えてね、関わらせてもらえるのが嬉しい!」と言っていました。

先生方が子供の様子を見ながら、得意なことを伸ばしてくれるでしょう。ぜひ、気になる施設は見学に行ってみてください。

家庭での療育は、子供の特性に合わせて寄り添っていくスタイルがメインになるでしょう。

検査を通して子供の得手不得手が分かっていますので、苦手なことをサポートしてひとつひとつ減らすように手助けをしていきます。

難しいように感じるかもしれませんが、あなたは子供の「できた!」に手を叩いて喜んだことはありませんか?

少し工夫して、それを続けていくだけです。大丈夫です。あなたは子供にとって、褒められたら一番幸せを感じるかけがえのない存在ですよ。

子供の様子を見ながら、専門機関や学校の力も借りて、互いに協力し合うことで子供をサポートしていきましょう。

発達障害の原因は遺伝する?誰もが持っている可能性

現代の研究では、発達障害が発症する原因には遺伝が関係しているということが、明らかになってきています。

しかし、複数の遺伝子の様々な変化が影響して起こるものなので、父母のどちらの家系からきているか、という断定はできません。

現時点の研究で発達障害は親子間でどれくらい遺伝するのか、きょうだいではどれくらい発症するのかを解説します。

発達障害は親子間で遺伝するとは言い切れない

研究によると、発達障害を持っている家系と、そうでない家系を比べたとき、持っている家系の方が表に現れやすい傾向にあるようです。

しかし単に遺伝が原因ではないと考えている研究者もいます。

家族間では遺伝的に体質が似ているほかに、生育環境も似てくるでしょう。

そこからいろいろな要因が相互に働きかけて、複雑に影響しているとも言われています。

つまり、親やその家系に要因があるから、必ず子供に遺伝するということではないようです。

実際に、親が発達障害を持っていても子供に引き継がれない場合や、その逆も多くあります。

発達障害に関係する遺伝子は非常に多くあるため、誰もが少しは持っている可能性が高いのです。

その遺伝子が強ければ特性として表に出ますが、弱ければ特性として出ないということのようです。

兄弟で発達障害が現れる確率は?遺伝子の近さと関係

先ほどお話した通り、発達障害が発症する原因は遺伝と関係があります。

研究の結果は、発達障害がきょうだいで発症する確率はゼロではないとしています。

ある研究では、遺伝子が極めて近い一卵性双生児と、同じ親から生まれたきょうだいで、発症する確率はどれくらいかを検証しています。

一卵性双生児の場合
  • 自閉症スペクトラム症:70%以上
  • ADHD:50~80%
  • 学習障害:68~100%

このような確率が出ていますが、一卵性双生児の一方に特性があっても、もう一方には特性が現れていない場合も報告されているようです。

同じ親を持つきょうだいの場合
  • 自閉スペクトラム症:3~7%
  • ADHD:30%程度

一卵性双生児に比べると、かなり割合が低くなっています。

友人の兄弟は弟が先に自閉症スペクトラム症の疑いを保育園で指摘されたそうです。

その後、弟は病院でグレーゾーンと判断され、経過観察をしてました。そのうち兄にも困りごとが増えていたので病院で相談したと言います。

兄はADHD寄りの特性で「集中力の結びつきが蜘蛛の糸ほどしかないタイプ」だと分かったので、兄弟で定期的に通院しています。

「主治医ができて、助かっているのよ」と、とても前向きなお母さんです。

このように、きょうだいだから同じ特性が現れるとは限らない事例もあります。

発達障害が発症する原因は、研究の途中にあります。確率ではなく、子供の様子から相談や受診を考えるのがよさそうですね。

まとめ

  • 発達障害が発症する原因は家庭環境とは関係ない
  • 特性の有無に関係なく、家庭環境によって発達障害に似た症状が出ることがある
  • 子供の日々の行動が心配なときは、発達障害の専門機関に相談する方法がある
  • 発達障害の療育は専門機関と家庭が協力して行う場合が多い
  • 発達障害の相談窓口は各市町村にあり、必要に応じて検査や病院を紹介してくれる
  • 発達障害の原因は遺伝子にあり、誰もが少しは持っている可能性がある

発達障害の原因をひとつに絞ることは難しいですが、持って生まれた特性が大きな影響を与えていることが分かりましたね。

もし発達障害と診断されても、その子に合ったケアをすることで、社会で活躍できる人になれます!

できることからコツコツやっていけば、きっとお子さん自身が特性を生かして輝ける人生を歩んでいくことができますよ。

発達障害でも、グレーゾーンでも、どんな子供にも嬉しい声掛けがたくさん紹介されています。

「パンがないならパンツでいい?」なんておもしろいものもありますよ。

親子で読んで笑って、実践してみませんか?

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